第12章 考えたことはある?ママはあなたを愛していないって

がらんとした倉庫に、今野優空の冷徹な余韻だけが虚しく響き渡っていた。

「病院に来て晴美に謝れ。もう、わがまま言うな」

次の瞬間、通話はぶつりと切れた。

倉庫の静けさが、ぞっとするほど重い。

誘拐犯は一瞬きょとんとしてから、腹を抱えて笑い転げた。拳を握りしめ、笑いの奥で顔色がどす黒く沈む。

「……おもしれえな」

息を含んだ笑いが、すぐ怒気に変わる。

「旦那はお前を信じねえ。さて、俺はどうすりゃいい?」

誘拐犯は別の柱へ歩き、スマホを萌花の目の前に突きつけた。

「ほら、お嬢ちゃん。パパに電話しな。演技じゃないって、ちゃんと教えてやれ」

口の布を乱暴に引き抜く。

萌花は泣きす...

ログインして続きを読む