第121章 つらい

「あなたたち二人とも、揃って手を抜いていたんでしょう。誰ひとり萌花を見ていなかった。あの子はつらさを我慢できる性格じゃないわ。苦しかったなら、あの場で必ずあなたたちに訴えていたはずよ」

「別荘じゅうに防犯カメラがあるし、萌花の部屋にもある。少し落ち着いたら、私が自分で映像を確認するわ」

「自分たちが何をしたのか、よく覚えておきなさい」

雪乃は二人を冷ややかに睨みつけた。刃のように鋭い視線だった。

男の使用人は見るからに動揺し、視線をさまよわせて雪乃と目を合わせようとしない。図星を突かれたのは明らかだった。

隣の女使用人は、とうに取り乱していた。唇を震わせながら急に一歩進み出ると、雪...

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