第124章 熱が下がる

松村理玖はその言葉を聞いても何も言わず、医師へ軽く頷いて了承を示した。

費用のことで今野優空と揉めるつもりはない。そもそもこの金は、今野優空が出して当然だ。真夜中に人を連れて今野家へ駆けつけた時点で、もう十分に踏み込みすぎている。

「では、松村社長、今野社長。私はこれで失礼します」

その医師も空気を読むことに長けた人物だった。今野優空が姿を見せた瞬間、その顔を見て誰なのか察していたのだろう。帰り際には呼び方まで改め、礼を尽くした。

医師が去ると、今野優空は身を屈めてベッド脇に腰を下ろし、萌花の額へそっと手を当てた。掌に伝わる熱はまだ少し高い。だが、焼けるような熱さではない。

彼はよ...

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