第127章 不信

萌花はぱっと顔を上げた。まん丸な瞳に、信じられないという色が走る。

少し間を置いて、彼女は口を開き、喉の奥から絞り出すように問い返した。

「パパ、それって……ママが萌花のこと、看病してくれたってこと? うそでしょ。ママ、萌花のこときらいなのに……そ、それなのに、どうして来るの……?」

小さな顔いっぱいに不信感が浮かぶ。熱は下がったとはいえ、頬の赤みはまだ薄く残っていた。両手で顔を包む仕草はどこか滑稽で――けれど、今野優空は笑えなかった。

萌花の雪乃に対する誤解が、思っていた以上に根深い。自分が一晩中看病してもらった事実すら、信じられないなんて。

どれほど、信じていないのか。

今野...

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