第144章 嫌い

萌花の目が、たちまち真っ赤になった。雪乃をきっと睨みつけるその顔は、まるで仇でも見るようだった。

「どうしてそんなこと言うの! あたし、うるさくするもん、ずっとうるさくするもん! うるさくして、困らせてやる! いっそそのまま――」

叫びながら、萌花がいきなり飛びかかってきた。思いのほか力が強い。雪乃は不意を突かれ、ぐらりとよろめく。背後のソファに手をついて、どうにか体勢を立て直した。

耳元で、泣くのを必死にこらえた声が震える。

「嫌い……ほんとに大っ嫌い! ママはいつもパパとケンカばっかりして、パパだって全然うれしくない! 嫌い、嫌い! なんでママなんかなの!」

涙をこらえながらも...

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