第145章 人を迎える

夜気はひんやりとしていた。雪乃はコートを一枚ひっかけただけで、家を出た。

もう自分で運転できる。別荘で眠っている運転手をわざわざ起こす必要もない。車のキーを一本取り、駐車場からそのまま車を出した。

車内で、雪乃は唇をきゅっと結んだまま、フロントガラスの向こうに広がる夜を見つめていた。ふいに、後悔が胸の底からこみ上げる。

こんなふうに飛び出してくるべきじゃなかった。今野優空が飲み潰れようが、死ぬまで飲もうが、自分には関係ない。いっそそのまま――そうなってくれたほうが、全部終わって楽になれる。

頭ではそう思っているのに、足は正直だった。アクセルを踏み込み、車は夜道を滑るように走る。そして...

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