第149章 選択

そう言い終えると、雪乃は視線を引き戻した。

「いい。――それがあなたの選択なのね。よく分かったわ」

今野優空の表情は陰り、面差しは冷え切っている。

「それがお前の選択だってことは、理解した」

雪乃は余計な説明をせず、踵を返して立ち去ろうとした。

その背に、ふいに柔らかく澄んだ女の声がかかる。

「雪乃さんもいらしたんですね。ちょうどよかった。昨日のこと、私から説明させてください」

中島晴美だった。

雪乃の身体が、ぴくりと強張る。

脳裏に、あの日の路肩の光景が勝手に巻き戻り、唇が細い一文字に結ばれた。

ゆっくり振り返る。

別荘のドアを押し開け、遠慮もなく入り込んできた中島晴...

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