第155章 隠し事

「萌花、パパが迎えを寄こしたみたい。今日はもう帰って、また今度、晴美おばさんのところに遊びに来てくれる?」

ノックの音がすると、中島晴美は萌花をそっと放した。唇には相変わらずやわらかな笑みをのせたまま。けれど、その目の奥だけはどろりと濁っていた。

まただ。

またしても、やりすぎた。

もっとも、今野優空は何か気づいていたとしても、深くは追及してこなかった。

そこは助かった。だが――惜しい。

あと一歩で、あの男をここへ呼び寄せられたのに。

中島晴美の視線が、きちんと服を着ている萌花へ落ちる。

そして、雪乃とうり二つのくりくりした目を見た瞬間、その瞳にどす黒いものがよぎった。

も...

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