第159章 乗り気ではない

雪乃は、桃菜の訴えを聞いた瞬間、いっそう顔をこわばらせた。この子は身体が弱い。そのことを、彼女はよく知っている。

声までかすかに震えていた。

「大丈夫? 平気よね? 部屋に薬があるの。上に行く? 私が消毒して、手当てするわ」

今野優空は桃菜の傷に目をやった。まだ幼い、やわらかな腕に、大きさの違う切り傷がいくつも走っている。どれもじわじわと血がにじんでいた。

彼は薄い唇をきゅっと結び、視線を脇でおとなしく立ち尽くしている萌花へ落とす。声音には、いつもよりはっきりとした厳しさが混じった。

「萌花、どうしてこんなことしたんだ? お姉ちゃんが怪我したの、見えただろ。お姉ちゃんはお前のせいで...

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