第十八章 一つ一つ、はっきりと

雪乃は動きを止めたが、すぐ何事もなかったように視線を引っ込め、またパソコンの画面へ意識を戻した。

今野優空が会議卓の上座に腰を下ろす。出席者をひととおり見回し、さりげないふりをして――雪乃のところで視線が止まる。

彼女はこっちを見ない。うつむき気味に、画面を追う横顔だけ。

今野優空は眉をひそめ、視線を外した。

数日見ないうちに、雪乃は妙にきれいになっている。無視できないほどに。

「始めよう」

男は思考を断ち切るように、小さく咳払いした。

プロジェクトマネージャーが立ち上がり、企画案の説明を始める。

雪乃はプレゼン資料を映しながら、要所で細部を補足する。

順調だった。少なくと...

ログインして続きを読む