第185章 奇妙

「もういい。今野優空、ここまででいいわ。話があるの。最後まで聞いて」

雪乃の声色にいつもと違う硬さが混じっているのを察したのか、今野優空の胸の奥でふっと湧きかけた小さな得意げな気持ちが、すうっとしぼんだ。薄い唇をきゅっと結ぶ。

「……分かった。言って。どうした?」

雪乃はしばらく沈黙した。喉の奥で言葉を転がしてから、ようやく吐き出す。

「今野優空。私たち……離婚しよう」

「離婚」

その二文字が落ちた瞬間、車内の空気が目に見えて冷えた。今野優空は横顔の線を硬くし、勢いよく振り向いて雪乃を睨みつける。歯を噛みしめた声。

「……もう一回言ってみろ。何だって? 俺と、離婚するって?」

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