第187章 そっくりそのまま

「それは、どうかしらね」

一曲を弾き終えると、客席から耳をつんざくような拍手が湧き起こった。雪乃はいつも通りの流れでゆっくりと舞台の前へ進み、優雅に腰を折って一礼する。

それから舞台袖へ下がると、今野優空と東山和馬がすでにそこで待っていた。

二人の男はかなり距離を空けて立っている。広くもない場所なのに、空気だけが妙に張りつめていた。

裾を持ちながら雪乃が姿を見せた瞬間、二人は示し合わせたように同時に視線を向けた。険しかった表情も、その一瞬だけやわらぐ。

「大成功だったな。客席の反応、見ただろう? みんな君の演奏に圧倒されていた。今日の演奏会は文句なしの成功だ」

東山和馬が歩み寄り...

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