第193章 帰るべきだ

「気に入った? ママがわざわざ買ってきたの」

雪乃は隣に立つアシスタントへ、もう一度だけ目で合図する。

――先に戻って。

「もう帰っていいよ。この間、ほんとにお疲れさま」

アシスタントは手に提げていた大小さまざまな袋を今野優空へ渡し、柔らかな笑みを浮かべた。

「今野さん。こちらは江川さんが萌花さんのために用意されたものです。お預かりください」

雪乃は視線を落として萌花を見る。

娘が目を輝かせ、抱えきれないほどのお気に入りの品々を大事そうに撫で回す。その様子に、雪乃の目元がふっとほどけた。

「好き!」

萌花は顔を上げた。瞳の奥に溜め込んでいた寂しさが滲み、次の瞬間、雪乃の首に...

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