第20章 彼こそが私を助けてくれた

「……ううん」雪乃は力なく答えた。

「焦らないで。これ、パパラッチが適当に書いただけでしょ。あとで一回ちゃんと否定しとけば平気よ。――で、正直に言って。杉谷和樹と、結局どういう関係なの?」

雪乃は深く息を吸う。

「今度一緒に仕事することになった歌手。昨日が初対面で、話して……帰りに送ってもらった。それだけ」

加藤莉々が二秒ほど黙る。

「……それだけ?」

「それだけ」雪乃はうんざりしたように言った。

また二秒の沈黙。

「じゃあさ、杉谷和樹が今いちばん勢いある人気歌手で、ファンが何千万人もいるって知ってた?」

雪乃は目を閉じた。爆発しているトレンドが脳裏にちらつく。

「……今...

ログインして続きを読む