第25章 やればできる

伊藤部長が固まる。会議室にいた全員が、同じように息を止めた。

今野優空は雪乃を見つめ、反応を待った。

取り乱すのを。弱音を吐くのを。以前みたいに、自分の服の裾を掴んでくるのを。

けれど雪乃は、しなかった。怯まない澄んだ瞳が、まっすぐ彼を射抜く。

「今野社長」

雪乃が口を開く。

「言い終わりましたか?」

今野優空の眉がわずかに寄った。

雪乃は椅子を押して立ち上がり、そのまま視線を外さない。

「コストが高いというなら、説明できます。人件費が二重計上だというなら、照合できます。会場の賃料を水増ししているというなら、項目ごとに分解して見せられます」

一拍置き、会議室に響く声がさら...

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