第29章 あまりふさわしくないのでは

「今野社長……」

雪乃が先に口を開いた。こんな時間に現れるなんて、意外すぎる。

「こんな夜中に、どうしたんですか?」

今野優空の視線が杉谷和樹から外れ、雪乃の顔に落ちる。

「企画書を見に来た」冷えた声。

「明日までに出すって言ったよな?」

雪乃はノートパソコンの画面をちらりと見た。

「まだ終わってません」

「まだ?」今野優空が鼻で笑い、再び杉谷和樹へ視線を走らせる。

「ずいぶん楽しそうだな」

杉谷和樹が立ち上がり、雪乃の前に回り込んだ。

「今野さん」

口調は丁寧なのに、正面に立つ今野優空には、その冷たさがはっきり伝わる。

「今、深夜2時半ですよ。この時間に催促って、...

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