第31章 どうしてこんなに話が通じるのか?

昨夜は3時間ちょっとしか眠れなかった。朝も少し口にしただけ。立っているだけなのに、身体がふわふわと浮いていく。

雪乃はデスクの縁に手をつき、なんとか体勢を保った。

今野優空が顔を上げ、彼女の仕草を見て眉を寄せる。さっきまで喉元まで出かかっていた意地の悪い言葉が、途中で引っかかったように止まった。

「……どうした」

雪乃は首を振る。彼の前で弱みを見せる気にはなれない。

「大丈夫です」

手を離して背筋を伸ばす。途端に顔色がさらに白くなり、眩暈がぐっと強まった。

今野優空はじっと彼女を見た。小刻みに震える指先――低血糖だと察したのか、椅子を引く音を立てて立ち上がり、デスクを回り込んで...

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