第37章 彼らはどうしたのか?

リビングの反対側では、今野爺さんが雪乃の手を握ったまま、途切れ途切れに言葉を重ねていた。

「雪乃、もっと食べなさい。細すぎるのはよくない」

「それから、優空にいじめられたら俺に言え。俺が叱ってやる」

「二人とも、ちゃんとやっていくんだぞ」

その一つ一つが胸の奥に沁みて、雪乃は目の縁がじわりと熱くなる。

「おじいちゃん……」

本当は、全部打ち明けてしまいたい。けれど喉まで上がった言葉を、ぎゅっと飲み込んだ。今日は彼の誕生日だ。今日だけは――笑っていてほしい。

雪乃は小さく笑って頷く。

「うん。分かったよ、おじいちゃん」

今野爺さんは満足そうに頷き、ようやく手を放すと、今野優空...

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