第38章 今野爺さんが倒れた

中島晴美は俯いたまま、声をさらに落とした。

「言うべきか分からなくて……ずっとおじいさまに隠してたんです。離婚のこと。でも、彼……雪乃さんのこと、愛してないんです……」

今野爺さんの顔色が、さっと変わる。

「……何だと?」

中島晴美は顔を上げた。涙が止まらない。

「お願いです、興奮しないで。優空が――」

今野爺さんは胸元を押さえ、顔を真っ赤にして呼吸を乱した。

「……離婚、するのか……?」

「おじいちゃん! どうしたの!?」

中島晴美が悲鳴のように叫ぶ。だが、身体は動かない。

今野爺さんの視界がすっと暗くなり、身体が椅子の背へと崩れ落ちた。

「大旦那様っ!」

少し離れ...

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