第44章 取り乱す

「いい子ね、萌花」

中島晴美は萌花の手から水を受け取り、慈しむような眼差しを向けた。ほんの少し唇を濡らすと、そのまま今野優空の胸へそっと身を寄せる。華奢な肩が小さく震え、いかにもか弱そうに見えた。

萌花は背伸びをし、心配でいっぱいの可愛い顔をくしゃりとさせながら、晴美の肩をぽんぽんと叩く。慰めるように、そして拗ねたように唇を尖らせる。

「ママのせいで、晴美おばさんがこんなにつらいんだよ!」

優空の胸がきゅっと締めつけられた。

「病院、行くか? ……見てられないくらいしんどそうだ」

晴美は首を横に振り、さらに身を引いて――すっかり優空の腕の中へ収まった。彼の手をそっと握り、頼り切っ...

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