第47章 君にやる

「俺のこと、運転手扱いか?」

氷みたいに冷たい声に怒気が混じる。雪乃はぴくりと肩を震わせ、顔を上げた瞬間、今野優空の沈んだ眼差しにぶつかった。

彼は横顔のままこちらを見ている。眉間に皺、明らかな苛立ち。

雪乃の口元に浮かんでいた笑みが薄れ、いつもの、彼に向ける淡い無表情へと戻った。

「おじいちゃんが手配した車だと思っていました。すみません。今、降ります」

そう言って身を屈め、ドアに手をかける。出ようとした、そのとき。

運転席の今野優空が、反射みたいに手を伸ばしてきた。

掴まれた指先。触れた瞬間、体温がじかに伝わる。雪乃は一瞬固まり、すぐに手を引いた。目には露骨な警戒。

――今...

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