第52章 調べに行く

「おじいさまのこの症状……誰かに薬を盛られた可能性が高いわ。この袋の中身も、もう混ぜられているかもしれない。あなたたち、丸一日キッチンにいたんでしょう? 誰が手を出したのか、誰ひとり気づかなかったの?」

鋭い視線が刃のように、キッチンの使用人たちをなぎ払った。逆らうことを許さない威圧が、声の端々に滲む。

「いまのうちに正直に話しなさい。今日なにをしていたのか。キッチンに、誰が出入りしたのか」

「自分たちの不注意で薬を混入させたくせに、罪から逃げるために奥様へ擦りつけるなんて……いい度胸ね」

キッチンに出入りした者――当然、今野浅子が何度か来ている。使用人たちは顔を引きつらせ、いっそ気...

ログインして続きを読む