第68章 プロジェクトを奪う

「おじいちゃん、何か召し上がります? キッチンに言って用意させます」

そう言うなり雪乃がキッチンへ向きかけると、今野爺さんが慌てて腕をつかんで引き止めた。

「言わんでも、キッチンはわしが毎日何を食べるか知っとる。お前は萌花の相手でもしてやれ。せっかく二人とも家にいるんだ」

その言葉が落ちた瞬間、リビングの空気がぴたりと止まった。

雪乃の表情は相変わらず淡い。けれど「萌花と遊べ」と言われたときだけ、瞳が一瞬だけ揺れて――すぐに何事もなかったように静まった。

一方の今野優空は、今野爺さんの一言でどう反応すればいいのか分からなくなり、視線を何度も雪乃と今野爺さんの間にさまよわせた。

自...

ログインして続きを読む