第86章 手伝い

彼はもう、気分の波が激しい今野優空のそばに付き合う気がなかった。すぐさま次の仕事の話を持ち出す。

会議で忙しい――それを口実に、とにかく一秒でも早く今野優空の視界から消えたかったのだ。

正直、彼には今野優空の腹の内がまるで読めない。

「会議を開くなら、お前が下で段取りしろ」

今野優空はアシスタントに目もくれず、エレベーター前へ一直線に歩いていく。纏う空気は、来たときよりさらに冷え込んでいた。

アシスタントは、いまの機嫌の悪さが、雪乃と松村理玖が一緒にいるのを見たとき以上だとすら感じた。

会議室で何があったのか気になって仕方がない。だが顔には一切出さず、視線を落として早足で後を追う...

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