第91章 優しさ

「ママなんて大っ嫌い。ほんと嫌い。どうしておばさんに会わせてくれないの? ママ、自分ばっかり私がおばさんに甘えてるから、やきもち焼いてるんだよ!」

萌花は唇をつんと尖らせ、不満をそのまま詰め込んだような顔で、中島晴美の点滴をしていないほうの手をぎゅっと握った。声には、はっきりとした不満と苛立ちがにじんでいる。

「晴美おばさん、怒らないで。私、パパに言うから。パパ、私の言うことなら何でも聞いてくれるもん。私が会いたかったんだって、ちゃんとパパに話すから!」

中島晴美は内心ほくそ笑んだが、それを顔にはひとかけらも出さなかった。相変わらず傷ついたような、寂しげな顔のまま、萌花の鼻をそっとつま...

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