第131章「水晶の宝庫」

スクリーンショットを眺めていると、イーサン・ハクストンからのメッセージが画面に表示された。

『モーガン先生、今週末、夕食にご招待したいのですが。ご都合のよろしい時をお聞かせ願えませんでしょうか? 家族が命の恩人にきちんとお礼を言いたがっておりまして』

その堅苦しい口調に、思わず笑みがこぼれた。モーガン先生。奇妙な響きだった。この人生で執刀したのはたった一度きりだというのに、イーサン・ハクストンはまるで私が何十年もの医療経験を持つかのように接してくる。

私の返事は、案の定、忙しいスケジュールを口実にした、丁寧ながらもはぐらかすようなものだった。

イーサンからはすぐに返信があった。『重々承...

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