第15章銀行への運転

「マジかよ……」

さっき俺を降ろしたウーバーの運転手が、口をあんぐり開けて突っ立っていた。その視線は、俺がたった今ゴールラインを越えたエクスプローラーに釘付けになっている。タイヤの周りでは、まだ砂埃が舞い落ちていた。

チェイスがカスタム仕様のジープ・ラングラーから飛び降りた。完璧にセットされていたはずの髪は乱れ、信じられないといった表情で顔を歪めている。奴は俺を見て、次にレンタルのエクスプローラーに目をやり、そしてまた俺に視線を戻した。まるで解けない方程式を解こうとしているかのようだ。

「ありえねえ」チェイスの友人らしき一人が、髪をかき上げながら呟いた。「八万七千ドルのカスタムサス付きラ...

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