第164章あなたへの誕生日プレゼント

エクリプスは出血する腕を押さえながら、拠点の通用口からよろめき入った。指の間から血が滲み出し、彼のタクティカルギアを染めていく。普段は冷徹なプロフェッショナリズムの仮面に覆われた彼の顔に、今は純粋な驚愕の色が浮かんでいた。

エース・オブ・スペードはデスクから顔を上げ、片眉を吊り上げた。「何か問題でも?」

「彼女は……」エクリプスは言葉を探すように間を置いた。「彼女の戦闘スタイル、その動き――シャドーと瓜二つだ。寸分違わぬ」

重い沈黙が部屋に落ちた。エース・オブ・スペードはグラスを置き、氷がクリスタルに触れてカランと音を立てた。「確かなのか?」

エクリプスは険しい顔で頷いた。「ああ」

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