第175章コートクイーン

ジェイド視点

ジェイドがセンターコートに立つと、体育館は不気味なほど静まり返った。両校の生徒たちは身を乗り出し、その表情は困惑からあからさまな面白がりまで様々だった。その静寂も長くは続かず、プリンストン側の客席からささやき声の波が広がった。

「アスターは本気か? あのインスタ女をセンターに据えるなんて」オレンジ色のプリンストンのパーカーを着た男が、友人に含み笑いをした。

「追い詰められるとこうなるんだよな」もう一人が答える。「もうほとんど試合を捨ててるようなもんだろ」

ランドビュー側からのヤジは、さらに容赦がなかった。「プリンストンは正式に諦めたみたいね」ランドビューの青い服を着た背の...

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