第192話ほとんどキス

翌朝、私はローレンスの邸宅のベッドの端に腰掛け、手の中にある薬の入ったグラスを見つめていた。中のどろりとした茶色い液体は、下水のようにまずそうだった。

「一気飲みだ」と私はつぶやき、頭を後ろに傾けて一息に中身を飲み干した。苦くて刺激的な味が舌を襲い、粘り気のある液体が喉を滑り落ちていく感覚に、吐き気をもよおしそうになるのを必死でこらえた。

「これを」イーサンの声が隣から聞こえ、手のひらに何か小さなものを押し付けられた。「キャンディーだ。口直しに」

私はありがたくその甘いものを口に放り込んだ。チェリーの風味が口いっぱいに広がり、ありがたいことに薬の苦味をかき消してくれた。「ありがとう」と、...

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