第224章私たちは何ですか?

ドアのチャイムが鳴り、私はノートパソコンから顔を上げた。サイラスを初めての心理カウンセリングに連れて行く前に、メールを数通仕上げているところだった。時間を確認する。イーサンがいつも来るには早すぎる時間だ。サイラスがドアに応対しに行く足音が聞こえた。こんな朝早くに、アポなしで誰が来たのだろうと思いつつ、私はタイピングを続けた。

ようやく顔を上げると、緊張したやり取りの終わり際が目に入った。戸口にはイーサンが立っていた。さりげないデザイナーズブランドの服とは裏腹に、その肩はこわばっている。サイラスは門番のように立ちはだかり、その痩せ長の体は意外なほどの威圧感を放っていた。二人はどちらも口を利かな...

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