第227話眠り屋の目覚め

ジェイド視点:

消毒液と包帯を手にサイラスのアパートに戻ると、彼は窓辺で身じろぎもせずに座っていた。部屋は私が出て行った時よりも片付いていて、割れたガラスは掃かれ、家具も元の位置に戻されていた。ドアの音に、彼が振り返った。

「座って」と私はベッドを指して命じた。

彼は一言も発さずに従い、マットレスの端に腰掛けた。私が脱脂綿にアルコールを浸している間も、そのままだ。消毒液を彼の切れた唇に押し当てると、ぴくりと震えたが、声は上げなかった。

「おとなしいわね」と、他に怪我がないか確かめるために彼の顔を傾けさせながら言った。

サイラスは正面を見据えたまま言った。「すまない」


あの...

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