第241話予期せぬ味方

セレネが加勢したことで、すでに危うかった状況の天秤は、完全に私にとって不利な方へと傾いた。

なんという皮肉だろう。かつて私に普通の人生を約束してくれた人物の顔を持つ男と戦い、一方で、私たち二人を育てた組織は、私の前の人生で始めたことの決着をつけようと躍起になっているのだ。

セレネがタクティカルナイフを手に突進してくる。刃がヒュッと空気を切り裂いた。私はその一撃を屈んでかわし、軸足で体を回転させる。純粋な本能がそうさせた動きだった。同時にクローンが死角から攻撃を仕掛けてきたが、視認するより先にその動きを察知していた。地面に身を伏せ、大きな円を描くように足を薙ぎ払うと、セレネの足首を捉えた。

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