第242話イーサンの救出

ミゲルはボンネットを開けると工具箱を手に飛び降りた。そのシルエットは、かすかな月明かりの中にかろうじて見えるだけだ。マキシが後に続き、内蔵ライトを起動してエンジンを照らし出す。

「しっかり照らしてろ」ミゲルはエンジンルームに身を乗り入れながら、ロボットにそう呟いた。

砂漠が私たちの周りに果てしなく広がっている。月光を浴びて銀青色に染まったその光景は、美しい。死をもたらすものがしばしばそうであるように。

「あれは一体何だ?」不意に、ミゲルの声が夜の空気を切り裂いた。緊張し、警戒に満ちた声だった。

マキシは即座に旋回し、ミゲルの注意を引いたものへと光を向けた。光線が砂の上を薙いだが、波打つ...

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