第41話リラックスした受験者

ジェイド視点

『クラウド・シティ』

片手に薬局の袋を握りしめ、私はマックスの寝室のドアを押し開けた。物理の教科書から顔を上げた彼は、私を見るなりぱっと目を輝かせた。

「帰ってたんだ」教科書を閉じ、立ち上がりながら彼が言った。

「たった今ね」部屋に入りながら私は答える。ベッドにバックパックを放り投げ、薬局の袋を掲げてみせた。「あなたに届け物よ」

マックスの視線が袋に注がれる。そこに印刷されたロゴ――『モリソン製薬研究センター』に気づいたのだ。彼の表情に希望が咲き誇るのが、手に取るように分かった。

「それって――」彼が言いかけた声は、途中で詰まった。

私は頷き、袋の中身を彼の机...

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