第50章これで私たちは対等だ

ジェイド視点

電光石火の速さでライアンのタクティカルナイフを鞘から抜き取った。彼が反応するより早く、ベストのポケットからジッポライターも抜き取っていた。

「これ、借りる」有無を言わせぬ口調で告げる。刃を指の間で一度くるりと回し、その重さとバランスを確かめた。

ザックが一歩前に出た。その手は無意識にサイドアームへと伸びている。「てめえ、何様のつもり――」

「待て」ライアンが手を挙げてザックを制した。その目には、私の動きにぞっとするほど見覚えがある、と書いてあった。

ザックは怒りで顔を紅潮させたが、それでも舌打ちをして身を引いた。内心で笑みがこぼれる。ザッキー坊や、相変わらず可愛くて短気...

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