第54章招かれざるゲスト

ラ・コローナからホテルまでの道のりは順調だった――順調すぎた。

イーサンの高級SUVの防弾ガラスの窓から外を眺めながら、私は心の中で呟いた。『あの黒いSUV、アリーナを出てからずっと尾行してきている』。気づいたのは三つ前の角を曲がった時だ。完璧な車間距離を保っている。

やがて前方にホテルが見えてきた。ベネズエラのこの荒れた地域には不釣り合いな、煌びやかな建造物――貧困と混沌の只中にそびえ立つ、十二階建ての豪華な建物だ。エントランスに車を寄せると、複数のドアマンが駆け寄ってきてドアを開けた。

「しまった」車から降りながらイーサンが呟いた。「君の荷物を引き取る手配をしていなかったことに、今気づ...

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