第86話シス-助けて

ジェイドは座り心地の悪い金属製の椅子から立ち上がり、服のしわを伸ばした。「もう遅い時間です。兵舎に戻らないと。他の学生たちももうすぐ集まる頃でしょうし」

エドワーズ大佐は頷いた。その歴戦の顔には、彼女を吟味するような好奇の色がまだ浮かんでいる。彼女の立ち居振る舞いの中に何か見覚えのあるものを探しているかのように、その視線が自分の動きを追っているのをジェイドは感じた。

イーサンは窓際に立ったまま、その長身がオフィスの床に長い影を落としていた。「送っていこうか」と彼は申し出た。「ついでにキャンプを見て回るのもいい。どうせ訓練はもうほとんど終わりだし、明日はキャンパスに戻るんだ」

「必要ありま...

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