第13章 怒って気絶した

水上伊鶴は、周囲から浴びせられる非難の言葉を聞いても、ぴくりとも動かなかった。

兄や姉たちもさすがに焦り始める。幼い頃から見てきた宝石の数なら相当なものだ。だからこそ、今手にしているそれの質感も色艶も、本物にしか見えなかった。

水上伊鶴は人垣の中心で、たちまち四方八方から矢面に立たされる。

その頃、2階デッキの一角では――

結城明臣が、階下の騒ぎをひと通り見下ろしていた。

その隣には、白い服を着た男が立っている。面白そうに下を眺めながら、気軽な調子で結城明臣の肩に腕を回した。

「まさかこんなところで見世物に当たるとはね。あの女、ちょっと面白い。あのジュエリーが偽物だなんて言い切る...

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