第27章 病院で男と密会

宇佐美樹奈は、自分の企てがことごとく潰えていくのを見て、ぷいと顔を背け、そのまま立ち去った。

この家で本当に自分を助けてくれる人がいるとすれば、祖母しかいない。

樹奈はすぐに屋敷の執事を探し当て、頼む口ぶりに見せかけながら、どこか命令じみた調子で言った。

「車を一台手配してちょうだい。おばあさまのお見舞いに病院へ行くの」

北川は背筋をぴんと伸ばしたまま、卑屈にもならず、かといって無礼にもならない声音で答えた。

「恐れ入りますが、宇佐美さんご自身でタクシーをご利用ください。旦那様方から、本日以降、あなたには家のいかなる便宜もお使いいただけないよう申しつかっております」

樹奈のこめか...

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