第30章 追跡

二人は仮面をかぶり、番号札を受け取ると、地下都市の三階へと足を向けた。

この場所は、階ごとに売り物が違う。

一階目はギャンブルとショーで埋め尽くされている。

二階目には、公に出せない希少生物や、変異した奇物が並ぶ。

そして三階目――権力者たちの遊び場。

結城明臣が彼女を自分の背へ引き寄せた。

「気をつけろ」

水上伊鶴は、彼が自分の腕を掴んでいる手に視線を落とす。胸の奥が、妙にざわついた。

伊鶴がそっと振りほどこうとした瞬間、明臣は腰へ腕を回して抱き寄せる。声音は甘く、磁力みたいに耳に絡んだ。

「伊鶴ちゃん、勝手に離れんな。初めてだろ、ここ」

水上伊鶴は従うふりで彼の胸に寄...

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