第31章 まるで狂人だ

「狂ってる! お前、本気で頭がおかしいんじゃないのか!」

今井天は毒づいたものの、それ以上は彼女に手を出せなかった。

水上伊鶴は起爆スイッチを指先で挟んだまま、一歩、また一歩と距離を詰めていく。

「今井天――まだここに居座る気? 答えて。その御曹司、名前は? 今どこにいるの? あなたたち、いったい何を企んでるの。前に私を郊外の工場へ呼び出したのは、何のため?」

水上伊鶴の胸の奥には、今さらながら薄い冷や汗のような恐怖が残っていた。

あのとき今井天に接触した際、自分の素性を明かさなかったのは正解だった。

今井天はごくりと唾を飲み込み、両手をさすりながら、へらへらと媚びるような笑みを...

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