第8章 異変に気づく

水上伊鶴は仮の滞在先へ戻るなり、爆弾も服も手早く始末した。

浴室に立ったとき、ふと首筋に小さな切り傷ができているのに気づく。いつの間にかついたものらしい。細かな血の粒が固まり、薄いかさぶたになっていた。

水上伊鶴はその傷痕をゆっくりとなぞった。指先がぴたりと止まり、目の奥に一瞬、動揺が走る。

首のネックレスが――いつなくなった?

昨日の監視映像は自分で細工してある。今さら確認しようにも、もう追えない。

本当に失くしただけならまだいい。

よりによって、あの男に拾われていなければいいのだが。

水上伊鶴は目を閉じた。脳裏に浮かんだのは、あの男の顔。途端に胸の内がざわつき、どうにも落ち...

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