第10話

実は、父の考えが推測できた。

何しろ、刑事が向井莉子の結婚式に現れたこと自体がすでに不審な出来事だった。ましてや一家が早々に退席したとなれば、それはまさに「我々にトラブルが起きた」と公言しているようなものだ。

「だから向井奈津子と連絡が取れなかったのか……」母の表情は虚ろだった。「まさか彼女がそんなことに遭ったなんて……」

何しろ十ヶ月間お腹に宿して産んだ子供なのだ。普段は反抗的で、莉子の半分にも満たないような子ではあったが、それでもやはり自分の子供なのだ。

もうこれ以上、彼らがこんなふりを続けるのを見るのは耐えられない。見ているだけで、私の魂が痛むようだ。

戻ってきたのは木内康介一人だけだっ...

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