第11話

向井浩正は日記を読み終えると、黙って立ち上がった。

彼はもともと数人の中で最も向井莉子を可愛がっていたはずだが、今は彼女を心配する気配が微塵もなかった。

「俺……さっき、向井奈津子の日記を読んだんだ」彼の顔色は少し青ざめていた。「彼女は、学校で長い間莉子にいじめられていたと言っていた。なぜ僕たちは彼女を助けてくれないのか、とも。それから……

彼の手は少し震えていた。「彼女は、もしある日死んだら、二度と向井家には戻りたくないと言っていた」

その言葉はまさに刃のようで、全員の心臓を突き刺した。

向井浩正は手にした日記を彼らに手渡した。その顔には疲労と静けさが漂っていた。

正直なところ、彼らが好んで...

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