第5話

その言葉を聞いた瞬間、向井浩正の表情が凍りついたのが見えた。

「お前……何言ってるんだ?向井奈津子が死んだって?」彼の声にはわずかな震えが混じっていたが、すぐに何かを思い出したかのように、表情はたちまち冷淡なものに戻った。

電話の向こうの男は言葉を繰り返した。

「ふん」向井浩正は嘲笑した。「向井奈津子に直接話させろ。莉子の誕生日パーティーに出たくないのか?まさかこんなことを仕組むとは。彼女、お前らを買収するのにいくら払ったんだ?死を盾に脅すなんて、まったく滑稽だ」

向井浩正は携帯電話のスピーカーをオンにしていたので、私にもはっきりと聞こえた。

電話の向こうの警官は明らかに彼に腹を立てたようで、...

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