第7章

午前五時、私のスマホが突然鳴った。甲高いその音に、落ち着かない眠りから叩き起こされる。

「彩花、今すぐ浜野海岸のセーフハウス17番に来て!」電話の向こうで美咲の声が震えていた。背後で何かが派手に壊れる音がする。

「美咲? 何があったの?」私はベッドから素早く転がり出た。

「見つかったの! 神原組の連中がセーフハウスを包囲してる! 蓮はあなたに連絡するなって言ったけど、怖くて、他に誰に電話すればいいかわからなくて!」

そこで通話はぷつりと切れた。

心臓が胸から飛び出しそうだった。浜野海岸はここから車で四十分の距離だ。私は車のキーを掴んで外へ飛び出し、運転しながら蓮に電話をかけ続...

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