第45章 上吐下泻

医療班が庭に駆けつけた時、橘陸は無様な格好で地面に突っ伏しており、嘔吐のあまり気絶しかけていた。

昼間の腹の調子がまだ完全には治っていないところに、めちゃくちゃな魚料理を腹に入れたものだから、橘陸の症状はただの下痢から全面的な上吐下瀉へと悪化していた。迅速な手当てがなければ、脱水症状を起こす寸前だった。

医師が橘陸の治療にあたり、点滴を繋ぐ。番組スタッフも、万が一のことがないよう交代で彼を見守っていた。

すっかりうとうとして眠りかけていた青山希と桐谷紫帆は物音に気づき、明かりを一つ灯して窓の外の様子を窺った。

先ほどの橘陸の嘔吐する音はひどく大きく、彼女たちの耳にも届いていたのだ。

...

ログインして続きを読む