第46章 橘家

橘夫人がまだ少し躊躇しているのを見て、橘硯は言葉を付け加えた。「それに、詩音ちゃん本人が同意するとは限りません。彼女はこのバラエティに多くの心血を注いできましたし、ずっと芸能界で活躍するという夢を持っていますから」

やはり、橘詩音の名が出ると、橘夫人は態度を軟化させ、彼らに番組を降板しろとはもう言わなかった。

母がまだ浮かない顔をしているのを見て、橘硯はふと名案を思いついた。

「今となっては方法は一つしかありません。母さん、青山希に電話してみてはどうです? 母さんの言うことなら、彼女も聞くかもしれません」

橘夫人は一瞬きょとんとした。「青山希に番組を降板させろということ?」

橘硯は頷...

ログインして続きを読む