第62章

「後ろめたい?どうして私が後ろめたくならなきゃいけないの?」

江宮源人は一瞬きょとんとした後、眉をひそめて小声で反論した。

「そうだぞ、俺たちが後ろめたいことなんて何もないだろ?」

メガネ君もそれに続いた。

その時、弓場風太郎だけがその場に呆然と立ち尽くし、田中雫や葉原澪たちのいる方を見つめていた。

実のところ、田中雫が現れた瞬間から、弓場風太郎は彼女たちが何を企んでいるのか、おおよそ見当がついていたのだ。

「なぜ後ろめたいかって、自分たちで分かってないの?私が弓場風太郎の正体を暴いて、あなたたちが赤っ恥をかくのが怖いんでしょ?」

田中雫は江宮源人を見据え、侮蔑のこもった冷笑を...

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